9月23日に『札幌の川、ざわめく自然を体験しよう! ~研究者といっしょに魚とり~』がおこなわれました。
応用生態工学会で来札していた研究者と北の沢川や豊平川を一緒に歩き、いろいろなことを教えてもらいました。
講師の先生は池田宏先生(元筑波大学)、三宅洋先生(愛媛大学)、渡辺恵三先生(北海道技術コンサルタント株式会社)でした。
≪魚とり≫
北の沢川では、水温、川幅、流速、水深など、魚を捕る前に調べることと測り方を教えてもらいました。
これらを調べることによって生き物について説明するときに役に立ちます。
魚の取り方を教えたもらい、魚とりをしました。
北の沢川で捕れた魚
卵を生むために海から遡上したサクラマスもいました。
水温が11度しかなく、最初は冷たかったですが、入ってしまえば楽しくて、冷たさも忘れてしまいました。
≪豊平川の地形≫
北の沢川と豊平川の合流点で豊平川を渡りました。
五輪大橋付近の豊平川はここ10年で川底の石がなくなり、岩盤が出てしまいました。かつては、サケが産卵することもありましたが、今では卵を生む場所もなくなってしまいました。
五輪大橋から見た豊平川
≪水路実験≫
豊平川がなぜ今のような姿になってしまったのか、水路実験をしながら説明してもらいました。
豊平川は、最終氷期と呼ばれる氷河時代には、山からの土砂の供給が豊富で流路は網の目状に流れていました。子供たちも手伝い水路に砂利をどんどん加えながら水を流すと網状流路ができました。
現在の豊平川は、山からの土砂の供給が無くなり、また人為的な砂利の採集によって河床に岩(基盤岩石)が露出してしまいました。北の沢川のように川底に大きな岩が残るごつごつ岩川はそのままでも河床が低下しませんが、豊平川のように柔らかい泥岩からなる河床はどんどん削れながら小滝を作る様子を実験で確認しました。藻南公園付近にみられるおいらん淵もこの小滝のひとつだそうです。川底の大石は、川の地形を守るために大切なのですね。
実験の様子(動画)※動画は現在公開していません
①土砂が供給され堆積が進む石川
②土砂の供給がなくなり浸食が進んだ石川
③大石が流水のエネルギーを消耗させて出水時の浸食を防止する流れ
④大石がなくなり柔らかい岩盤がえぐられて小滝ができる現在の豊平川の様子
≪北の沢川の調査で分かったこと&研究紹介≫
北の沢川でみんなで調べた結果から、魚がたくさんいるところはすむ環境があること、また餌となる水生昆虫もたくさんいることを教わりました。
そして、三宅先生と渡辺先生が日頃研究していることや、手掛けていることをわかりやすく話してもらいました。
短い時間で盛りだくさんの内容でしたが、参加者のみなさんには喜んでいただけたようでした。
また、手稲さと川探検隊や真駒内川水辺の楽校など20名のスタッフに手伝っていただき無事に終了できたことに感謝いたします。
また機会があれば、ぜひこのような企画をしたいと思っています。