サケ皮の弦楽器

できごと
4年前の今頃、久永さんという方にサケの皮を2枚提供したことがありました。
すっかり忘れていたのですが、その久永さんから「三味線を作ったのでお見せします」との連絡をいただきました。
さけ科学館にお持ちいただいたのは、ピシッとサケ皮の張られた三味線です。
鮭皮がピン!と張られています
私たち職員は楽器の素養がなく素人なのですが、音がとてもよく響くのは分かりました。
久永さんの素敵な演奏
目の前で久永さんに「島唄」でしょうか、歌と一緒に演奏までしていただき、大感激です。
鮭皮三線

本来の三味線は猫や犬の皮を張り、また沖縄や奄美の物は「三線さんしん」と呼んで、ビルマニシキヘビの皮を張るそうです。
久永さんは三線のキットを取り寄せ、それに皮を張るための器具を手作りして、ご自分でサケ皮を張ったとのことです。
皮張り用の手作り器具
            ↓
皮を張ります

サケ皮を用いた楽器は、北方民族による太鼓のような物は資料で見たことがあります。
三味線のような弦楽器に使われた例もあるのかもしれませんが、私は聞いたことがありません。
三線を持った久永さんと記念写真
この三線、しばらくさけ科学館にお貸しいただけることになりました。
展示方法も考えてみますが、実習やイベントなどの折々に、みなさんにも見たり、持ったり、弾いたりしてもらいたいと考えています。

実はまったく別件で先日、上海で「二胡にこ」を製作されている方からも、サケ皮についての問い合わせがありました。
これも弦楽器ですが、三線がギターのように弦をはじくのに対して、二胡はヴァイオリンのように弦をこすって音を出します。

近日中にこちらから皮を2枚提供し、完成した二胡はいずれご提供いただけるとの話になっています。
いつかサケ皮の三線と二胡でセッションができたら…と、夢はふくらみます。
どなたか、弾ける方に来てもらわねば…。